萩原陵 個展「ニハ」へ

門脇篤

2008年03月01日 20:27


仙台市若林区卸町で今日から始まった萩原陵さんの個展を見に行きました。
ここは「はっぴぃはっぱプロジェクト」などアートな企画が行われている倉庫で、前に一度だけ来たことがありました。 萩原さんの作品は、鉄をテーマにしたもので、鉄を編んだり、さびをいかしたりと、地道にひとつひとつのテーマを追いながら制作を行っています。

以前、何度か見ていた作品のほか、「庭」をテーマに新作も見ることができました。 コンセプト的なものからの発想というよりは、鉄という素材からの発想で、倉庫という場所を活かしてインスタレーションされていますが、別に場所性を取り去っても何の問題もなく成立する作品です。

もっと勉強したい、とのことで、今後、大学に入りなおすことも考えているそうです。本当にまじめな方だと思いました。 倉庫の外にも「はみ出して」展示されています。 卸町は、規制によって小売店が出店できないできた区域で、最近それが撤廃され、あちらこちらに「卸」を売り物に販売しているお店が見受けられ、とてもうけているようです。
仙台市のふたつ目の地下鉄・東西線も着工がはじまり、すぐそばに「卸町駅」ができるそうで、巨大なドリルが立っていました(昨日まで寝ていたそうです)。東西線はここから仙台駅を通ってちょうど私の働いている片平の真下、青葉通りを通ってのびていくのですが、その青葉通りでは「杜の都」仙台のシンボルともいうべきけやきが毎晩掘り起こされています(こちらに毎日掲載中)。

ここ卸町にもけやき並木があって、まだ青葉通りほどではないですが、すくすくと育っています。ここでもいつか何かできたら、おもしろいかもしれません。その、地下鉄によってつながる卸町と青葉通り、それによって消えるけやきと、ここにあるけやき。毛糸か何かでそれらを思い起こさせるような。
(門脇篤)

関連記事